「俺の方が、お前のねーちゃんに捨てられたんだよ」
目を見開いて先生の顔を見る二宮くん。
嘘…。
二宮くんのお姉さんが先生を捨てた?
私は手で口を覆った。
「嘘だ…」
「嘘じゃねぇよ。俺が絢音のマンションに行ったら、知らない男とベッドで抱き合ってた」
「………」
二宮くんは何も言わないで先生の顔を見てるだけだった。
「お前のねーちゃん、俺に何て言ったと思う?男に肩を抱かれながら"瑠依のこと飽きちゃった"って言ったんだ…。その隣にいた男が秋元准一。お前のねーちゃんの旦那だよ。それから俺は女を性処理の道具だと思って付き合うようになった…それは女と本気で付き合うのが怖かったから…女を信用出来なくなったからだ。本気で愛してた女に裏切られたんだからな」
「嘘だ…」
二宮くんは下唇を噛み締めていた。
「ねーちゃん、演技が上手だね。女優になれるんじゃね?嘘だと思うんなら絢音に会って確かめるか?」
二宮くんは何も言わなかった。