「二宮…何の用だか知らんけど、俺は忙しいんだ」
「先生…二宮絢音(ニノミヤ アヤネ)って知ってる?」
二宮くんがそう言ったとたん、先生の顔が強ばった。
やっぱり二宮くんの言った事は本気だったんだろうか…。
「どうして彼女の事を知ってるんだ?」
「教えてやろうか?俺は二宮絢音の弟だから」
二宮くんがフフッと笑う。
「絢音の弟…?」
「お前が2年前に捨てた二宮絢音の弟だ」
「絢音は…元気なのか?」
「飽きたからって捨てておいて、よくそんなセリフが言えるもんだな。ねーちゃんはお前に捨てられた後、毎日泣いて過ごしていたんだ。常に誰か傍にいないと死んでしまうんじゃないかと思うくらいだった」
二宮くんは先生を睨み付けている。
「でもな安心しろ。ねーちゃんは1年前に結婚したよ。お前のような男じゃなく、ねーちゃんの事を本気で愛してる男とな」
二宮くんの言葉に先生は俯き何か考えてるようだった。



