私の前をスタスタ歩く先生。



「先生!」



私は先生の傍に走って行く。



「ありがとうございました」



私は先生に頭を下げた。



「俺さぁ…この仕事辞めたくないんだよね。だから咄嗟にあんな嘘が口から出たわけ」



先生がニヤリと笑う。



「そうだったんですか…」


「そう言うこと。じゃー気を付けて帰れよ」



そう言って、私の頭をポンポンとすると職員室の中に入って行った。


頭に先生の手の感触が残る。


それだけでドキドキしてる自分がいた。


だけど…先生は私を庇ったわけじゃないんだ…。


自分を守るために言った嘘だった。


でも誰が隠し撮りなんかしたんだろう。


疑問が残るまま下駄箱へ行った。