私はベッドから起き上がり制服を着た。
そして寝室を出てリビングに行くと、
先生がソファーに座ってタバコを吸っていた。
遠くを見つめる先生の目は、どこか寂しげで切ない顔をしていた。
どうしてそんな切ない顔をしてるの?
「どした?」
先生が私の方を見て声を掛けてきた。
「あっ…か、帰ります…」
「送って行くよ」
「いいです。電車で帰りますから」
私はそう言って、先生に背を向けてリビングの扉に手をかけた。
「なぁ…」
先生に声を掛けられ、ドアノブを回す手が止まる。
「はい…」
「…いや…何でもない…」
「失礼します」
私は先生に背を向けたままそう言ってリビングを出た。
そして先生の部屋を後にした。



