開けたドアから顔を覗かせて辺りを見る。 廊下を挟んだ前にもう1枚のドア。 その隣にもドアがある。 左側、廊下の突き当たりにもドアがある。 右側は玄関。 私は、廊下に出て左側にあるドアに向かってゆっくり歩き始めた。 閉まっているドアの隙間から光が洩れている。 ドアノブを持って、ドアを開けようとした時――。 中から誰かの話し声が聞こえた。 この声は…先生の声だ…。