「もしかして…今、そういう状況なわけ?だから悩んでんの?」



先生がクスッと笑う。



「おかしいですか?」


「いや別に…。てか、佐渡って彼氏いないの?」


「そ、そうですけど?」



私は窓の外に目をやった。


外は真っ暗。


"ピューピュー"と風の吹く音が聞こえる。



「俺が彼氏になってやろうか?」


「えっ?」



先生に目線を移して、目を見開いて先生を見た。


"彼氏になってやろうか?"って言った?
私の聞き間違えじゃないよ…ね?

心臓の鼓動がさっきよりも早くなる。


まるで100メートル走を全力疾走した後のような…。


息が…息が苦し…い…。