「香澄、一人暮らししてるんだぁ」



テーブルの前に座った美羽がキッチンに立つ私に話し掛けてきた。


「うん。高校入学と同時に一人暮らし始めたんだ」



キッチンで紅茶をカップに注ぎながら言った。



「じゃー…おばさんには会ってないの?」



私は紅茶の入ったカップをトレイに乗せて部屋に行き、テーブルの上に置いた。



「……うん…全くね…」



私は苦笑いしながら言った。



「そうなんだ…」


「…う…ん…」



私はカップを両手で包み込むように持ちながら返事をした。