「なぁ…香澄?」


「ん?」


「香澄はいつまで俺のことを"先生"って呼ぶんだ?」



先生が私のおでこを突っついてきた。



「えっ?それは…」



私は結婚した今でも先生のことを"先生"と呼んでいる。



「それは?」


「うーん…ずっと…かな…?」


「ずっと?」


「うん…ダメ…?」


「俺たち、もう教師と生徒じゃないのに?」



確かに先生と私の関係は"教師"と"生徒"じゃないけど…。


でも先生のことを名前で呼ぶのは恥ずかしいよ…。



「恥ずかしいから…」


「恥ずかしがることないじゃん」



先生は笑って私を見る。



「まぁ、先生って呼ばれるのも嫌ではないけどな」



先生はクスッと笑って、私の唇に軽くキスをしてきた。