対応してくれた若い女性の店員さんが、次々と宝石を出してくる。
「これなんか可愛いですよ」
店員さんがススメてきた宝石はネックレスだった。
可愛い…。
一目見てそう思った。
プラチナのネックレス。
大きさの違う3つのハート型のモチーフが縦に連なっていて、
上と下のハート型は水色の宝石、真ん中はダイヤで出来ていた。
「これ上下はアクアマリンなんですよ」
アクアマリン…。
私の誕生石だ。
「私の誕生石だ…」
思わず出てしまった言葉。
「これにしたら?」
先生が言う。
「でも…」
「これプレゼント用に包んで下さい」
先生が店員さんに言った。
驚いて先生の顔を見る。
「香澄に似合うよ。絶対」
先生がニコッと微笑む。
「ありがとう」
先生の笑顔に負けちゃった。



