お昼を軽く済ませた後、先生が



「ちょっと行きたいとこあるんだけど…いいか?」



と、聞いてきた。



「いいよ。どこ行くの?」


「いいから着いて来て」



先生に言われるままに着いて行くと…。


先生は1軒のジュエリーショップに入った。



「先生…ここ…」


「クリスマスだから…。好きなの選んでいいよ」



店内はカップルで溢れていた。


ショーケースにはいろんな宝石が並んでいる。



「えっ…いいよ…」



私は断った。
携帯にストラップを買ってもらったのに…。
その上、クリスマスプレゼントだなんて…。
しかも宝石。


チラッと値段を見ると、とてもじゃないけど「これがいい」なんて言えるような値段じゃない。


でも先生は…。



「いいから。遠慮するなよ。俺が香澄に買ってやりたいんだから。香澄は俺に甘えてくれたらいいの」



と、私の手を引っ張ってショーケースの前に連れて行かれた。