「でも…」


「何?」


「2人でいるところを誰かに見られたら…」



学校は冬休み。


今日は土曜日で、しかもクリスマスイブ。


同じ学校の人に全く会わないっていう自信はない。


もし…誰かに見られたら…。



「そんなこと気にしてんの?」



先生はテーブルに置いてあったタバコの箱を取りながら言った。



「だって…」


「冬休み明けたら、俺たち教師と生徒じゃなくなるじゃん」



あっ…そっか…。


冬休み明けたら私は学校を辞めるんだった…。
先生も3月いっぱいで辞めるんだ…。



「だから堂々としてればいいんだよ。誰かに見られて学校に言われても関係ないじゃん」



そう言い終わると、先生はタバコに火をつけた。