あっそうだ…。
あともうひとつ聞きたいことがあったんだ…。
「先生?」
「ん?」
「さっき最後って言っちゃったけど…あと…もうひとつだけ聞いていい?」
「何?」
先生が私の前髪を優しく触る。
「先生は何で私の携帯番号知ってたの?」
教えてないのに…。
どうして知ってるんだろうって不思議だった。
「俺、香澄の担任だぞ?」
「あっ…そっか…」
学校に提出してる書類を見れば全てわかるんだ…。
住所に電話番号に家族構成…。
だから話してもないのに、先生は私が1人暮らしって知ってたんだね。
なーんだ。
私は気の抜けたような笑顔を先生に見せた。