「なぁ…この話しはもう止めないか?過去のことだから…」
「あっ…ゴメンなさい!でも…」
「でも?」
先生にどうしても聞きたいことがあった。
「最後に…ひとつだけ聞いても…いい?」
「何?」
「あの時…ソファーに座ってた先生は…切ない顔をしてた…。それから…私を送ってくれた時も切ない顔をしてた…。それがずっと気になってたの…。もしかしたら…二宮くんのお姉さんに裏切られたのが原因なの?」
「そうかもな…」
先生はクスッと笑う。
私はそれ以上、何も聞けなかった。
先生が言ったように、この話しはもう止めよう。
先生に辛い思いをさせたくないから。