「佐渡…携帯貸して?」


「どうぞ」



私は鞄の中から携帯を取り出して先生に渡した。


携帯を開いて操作する先生。
そして携帯を耳にあてる。



「もしもし。葉山?櫻庭だけど…。さっきの答えを言おうと思って…。俺の携帯壊れたから佐渡に借りて電話したんだ」



さっきの答えって何?



「俺…学校辞めるよ」



えっ?
先生が学校辞める?
どうして?
私が辞めれば済む話じゃない。



「あぁ…。もう決めたから…。えっ?佐渡?佐渡は今トイレだ」



先生はそう言うと私の方を見て微笑んだ。
私も先生に微笑み返す。



「佐渡がどうするか?さぁ…俺は何も聞いてないけど?そう言うことだから。じゃーな」



先生はそう言って電話を切った。
そして私に携帯を返してくれた。