「先生…」
私はマグカップの中のコーヒーを見つめたまま言った。
「ん?」
「私ね…冬休みが明けたら…学校辞めようと思ってる…」
「えっ…?本気で言ってんのか?」
「うん…」
私は顔を上げて返事をした。
「どうして?あと1年ちょっと行けば卒業だろ?」
「もう…いいの…決めたから…」
私は先生に笑顔を見せる。
「葉山のことが…あるからか?」
私は無言で頷いた。
「だったら!俺が…佐渡のこと守ってやるから!」
「いいの…。私が学校辞めて、それで紗智や美羽が納得してくれるなら…。だって紗智と美羽の最終的な目的は学校を辞めさすことでしょ?」
「佐渡…」
先生が真っ直ぐ私の目を見つめる。
「自分から辞めた方が楽だから…。逃げと思われても仕方ないけど…。それに私が辞めたら先生に迷惑かけないで済むし…。掲示板に写真を貼られないで済むでしょ?」
私は笑顔で言った。