「佐渡の俺に対する純粋な気持ちが俺の気持ちを変えたんだ…。俺の冷たい氷のような心を佐渡が溶かしてくれたんだ…」
「先…生…私はただ…先生のことが好きなだけ…。私は何もしてないよ…」
乾いていた涙が再び溢れ出す。
涙がポタポタ落ちていく。
先生はソファーから立ち上がり、私の傍まで来ると、指で涙を拭ってくれた。
そして私の体を抱き寄せギュッと力を入れた。
「なぁ…佐渡…」
「…はぃ…」
「さっきも言ったけど…俺の言ったことを信じれないかもしれない。今まで散々、女を道具のように扱ってきたんだ…。葉山たちと一緒になって佐渡を騙してたんだ…。だけどな…時間がかかっても信じてもらえるように頑張るから…だから…俺のこと…嫌いにならないでくれ…」
「先生?私は…先生のことが好きだよ…。この気持ちは今も変わらない…」
「佐渡…ゴメンな…」
私は無言で首を横に振った。



