「もし…失敗したら?」
必ず成功するとは言えないだろう。
佐渡が俺の申し入れを断るかもしれない。
「そうなったら次の作戦を考えるんじゃね?」
「そっか…」
失敗しても次を考える…。
俺も佐渡もこのゲームからは逃げられないってわけか…。
そのゲームを知らないのは佐渡だけ。
とことん佐渡を追い詰める。
そして最後には学校を辞めさせる。
男が絡んだら女は怖いな。
友達でも平気で裏切るんだから。
「でもさぁ…何でお前はここまでするんだ?」
「紗智に頼まれたから。ただそれだけだ」
翔哉はクスッと笑った。
「そっか…」
俺は佐渡の写真を見た。
「じゃー俺は帰るわ。お前にはチョロイもんだろ?女の1人や2人騙すのは」
翔哉はそう言うと、写真をしまって席を立った。
「そうそう!紗智が佐渡香澄のことを好きにしてもいいってさ。無理矢理抱くなり何なりと好きなように。じゃーな」
翔哉は俺の肩を軽く叩くとバーを後にした。
―瑠依Side end―



