「佐渡香澄は瑠依のことが相当好き。だから彼女や紗智にとっては都合が良かった。それは何でかかわるか?」
「何で?」
「それは瑠依が教師だから」
「俺が教師だから?」
「そう。教師と生徒が付き合ってるってわかったらどうなる?」
あっ…。
翔哉の言ってる意味がやっとわかった気がした。
俺と佐渡が付き合ってることが学校にバレたら、
俺は懲戒免職…良くて転勤。
佐渡は退学か停学だろう。
でも、もし停学になったとして、停学処分が解けて学校に来た時に佐渡は白い目で見られるだろう…。
もしかしたらイジメに合うかもしれない。
彼女と葉山はそれが狙いか…。
佐渡を苦しめること。
それが彼女の佐渡に対する復讐…。
そして葉山は自分は佐渡の味方のような振る舞いをする。
しかし実は全て葉山と彼女が仕掛けた罠ってわけか…。
「わかったみたいだな」
翔哉が俺の顔を見て言った。
「あぁ」
俺は新しいタバコに火をつけた。



