「で、美羽って子の彼氏が佐渡香澄に告ったみたいなんだ。だけど佐渡香澄は断った。あっ!マスター、ビールおかわりね」



翔哉は空になったグラスをマスターに渡す。



「それから美羽って子と彼氏の仲がギクシャクし出して別れたらしい。それを彼女は佐渡香澄のせいだと思った」


「女の嫉妬ってやつか」



俺は鼻で笑いながらウーロン茶を飲む。



「だろうな。紗智と彼女が会った時に、佐渡香澄の話が出たらしい。偶然にも佐渡香澄は彼女と中学の同級生。で、紗智と同じ高校。紗智と彼女は友達。3人は繋がりがあったってわけだ」


「美羽って子が佐渡に復讐したくて葉山に話を持ち掛けてきたってことだろ?」


「そういうことだ」



翔哉がビールを飲む。



「でも何で俺なんだ?違う男でもいいだろ?」


「違う男じゃ意味ねぇだろ?」


「どうしてだ?」



俺は翔哉の言ってる意味がわからなかった。