「仲がいいのは紗智の演技」
「そうなのか?」
信じられなかった。
いつも一緒にいる葉山と佐渡。
お互い笑い合い楽しそうにしている姿を見てたのに…。
でも葉山の腹の中は佐渡のことを友達だと思っていない。
友達…いや…親友だと思っているのは佐渡だけか…。
「紗智の仲の良い子が…名前は確か…美羽って言ってたかな。その子と佐渡香澄が中学の同級生なんだよ」
翔哉が佐渡の写真に目を落とした。
「その美羽って子の彼氏が佐渡香澄のことを好きになったらしい」
「へぇ…それで?」
俺はどこか他人事のように翔哉の話を聞いていた。



