「この子、知ってるだろ?」
翔哉がカウンターテーブルの上に1枚の写真を置く。
タバコに火をつけながら写真を見た。
「あぁ」
俺はそう言って、タバコを吸った。
「佐渡香澄。瑠依のクラスの子だろ」
「そうだけど…それがどうかしたのか?」
天井に向かって煙を吐き出す。
「この佐渡香澄と付き合って欲しいんだ」
「はぁ?何言ってんだよ!」
クラスのヤツに手出せるわけないだろ?
いくら俺が女好きだと言っても…。
それに佐渡はクラスでも目立たない生徒だ。
担任をしていながらあまり話したことはない。
そんな子といきなり付き合えなんて言われても困るよ。
でもまぁ面白そうってのも正直な気持ちなんだけどな。



