笑顔で俺を見ている人物――。
葉山紗智。
そう、俺のクラスの生徒。
そして佐渡の親友。
いや…。
佐渡だけが葉山のことを親友と思ってるかも。
「座れば?」
葉山に言われてラグの上に座る。
「コーヒーでいいか?」
キッチンにいた翔哉が聞いてきた。
「いや…いい…」
俺はそう言って、葉山の方に向き直った。
「なぁ…葉山…」
「ん?」
「もう…やめないか?」
「何を?」
葉山は髪の毛の先を指でクルクル巻きながら言った。
「佐渡のこと…騙すの…」
「どうしたの?さくらっち。怖くなった?」
クスクスと笑う葉山。
「いや…怖くなんかねぇよ」
「何で?翔哉に話を持ち掛けられた時、凄いやる気だったみたいじゃない。あっ!まさか…香澄のこと好きになっちゃった?」
「……そうだって言ったら?どうする?」
俺は真剣な目で葉山を見た。



