キッチンで洗い物をしてると、リビングに先生が入って来た。



「起きて大丈夫ですか?」


「あぁ。お粥食べたら良くなった」



先生はクスッと笑うと、ソファーに座った。



「良くなるの早いですね」



私も笑う。



「なぁ…佐渡…」


「何ですか?」


「俺のこと…憎いだろ?」



先生がタバコに火をつける。



「そんなことないです」



私はお茶碗についた泡を水で洗いながら言った。



「無理矢理やられたのに?それに…あの時…校長に嘘をついたのは…お前のためじゃなく…自分のためだった…。そんな俺でも憎くないのか?」


「はい」



私は笑顔で返事をした。


最初は無理矢理、体を求められた事は嫌だった。


だけどやっぱり先生の事が好きだから…。


先生と繋がっていられるならセフレでも都合のいい女でもいいと思うようになっていた。


だから先生を憎いなんて1度も思った事はなかった。


それに…先生は本当は悪い人じゃないってわかったから…。