『はい』


「先生?佐渡です。先生の部屋って何階ですか?」


『10階。エレベーター出て左に行った1番奥だから』


「わかりました」



電話を切って、携帯を鞄の中に入れる。


それと同時に"ガチャ"と音がした。


たぶんオートロックが解除された音だろう。


マンションの中へ入る扉が開き、私は中に入った。


エレベーターに乗って、10のボタンを押す。


エレベーターが静かに動き始めた。