静かに星は涙を拭った手に握られている物を彗に差し出した。 首を傾げて彗は何だろうと手に握られている物を見つめる。 手に握られていたのは、四葉のクローバー。 「…如何しても彗にあげたかったの」 元気の無い笑顔を見せた。 そのクローバーを受け取って彗はジッと見た。 「何でそこまでして…」 「幸せになってほしいから」 言葉を遮る様に星が言った。 自分は如何なっても構わないから、双子の片割れだけでも幸せになって欲しい。 そういう願いだったのだろう。