でも、彗は首を横に振った。


「良いんだ。沢山の人に彼女の事を知って欲しいから」

「えっ…」


その発言に思わず言葉をこぼした。


亡くなった人の事を知って欲しい。


それは、忘れないでいて欲しいと言う意味だろうか。


「じゃあ、訊いてもいのか?」


緑の問いに頷く彗。


「彼女って誰だ」

「僕の双子」


更にその場が静かになった。


彗に双子がいるなんて今迄知らなかった。