「じゃ、帰りますか」


王子は姫に近付いて頭を撫でた。


「休みになったらまた会いに来るから」

「はい。王子兄ィ」


幸せそうに姫は笑った。


両親が亡くなって唯一の肉親。


大切なただ1人の兄。


それが会いに来たのだから嬉しいはず。


「それでは、お騒がせしました。レンもシッカリしなさいよ」


千景は礼をしてレンを指差した。


こうして、嵐は去った。