「詳しくは知らないが決められた運命を壊してくれたらしい」

「あいつ自身がそれ以上話そうとしない」


霧々は煌紅の隣で本を読んでいた。


そんな霧々に抱きついて殴られる煌紅。


「思うんですけど、凪斗先輩って皆から少し遠退いて壁を作っている気がします」


それには皆黙った。


近いように感じていたけど何かが遠い。


ギリギリのラインでいつもいてそれ以上は近付かない。


心にある大きくて厚い壁。


壊せるか壊せないか。


今の彼等には分かりはしない。