この学園の為ではなかった。


それを凪斗が認めるはずが無い。


彼が会長をしていたのは成績でも人望の為でもなく、学園の為だった。


部屋を後にして歩き出した。


(僕が学園を内部から押さえつけられるのはあと少しか…)


歩きながら髪に結われたリボンに触る。


真っ赤なリボン。


その色は血でも吸い込んだかのように赤かった。


(少しでも多くしつける必要があるかな)


一瞬、凪斗の瞳が赤に変わったように見えた。


時々見るまるで別人のような…


凪斗であり凪斗ではない。