「会長は絶対的な権力を持つけどぉ…ひーちゃんが嫌なら断ってくれても構わない」


ニコニコ笑顔でそう言うが何処か笑っていない。


「自分は…」

「あとね、この学園は権力で縛らないと荒れる。Dクラス以外は優秀と言っても彼等だって不満の塊なんだよぉ。体育祭のが良い例だね」


それを聞いて姫はピクッと動いた。


体育祭でAクラスが先生に言われたからと言って不正の様な事を行った。


自分の意志で拒む事も出来たのに受け入れて実行したのは不満が堪っている証拠。


BクラスとCクラスだってそれは同じだ。


いつ反乱を起こすかも判らない。


「だからこそ、会長はそれを権力で押さえつけるんだ。ひーちゃんなら出来ると思うから僕は推薦したのぉ」

「危険な事もあるから会長を護る為に副会長や書記達がいるんだ」

「初めの頃は凪斗に襲い掛かる奴が絶えなかったが全てねじ伏せた」


会長を護る為の副会長達。


権力で押さえつける生徒会。


それが姿を見せない理由。


陰から縛り動きを拘束する。


反乱など起きなかったのは生徒会が未然にそれを防いでいたから。


「外部からの反抗もある程度は防いだよぉ」

「放置してたら此処が壊れてる」


他校の反抗はあまりない。


それを全て生徒会で防いでいた。


厄介事まで引き受けている。