如何して今迄気付かなかったんだろう。
目の前にいるこの人は真白の好きな彼女に似すぎている。
「…そっか、だから俺は貴女の歌に惹かれたんだ」
歌声を一回聞いて心が安らいだ。
まるで姫と一緒にいた時のような感覚。
温かくて優しくて。
「…ねぇ、きぃちゃん」
「自分の言った事がハクくんを追い詰めていた。軽々しく言うもんじゃなかった…」
人の為自分の為頑張る
それがどんなに大変であろうと真白は実行し続けた。
姫との約束だから。
髪を奪ってしまった償いと感じて。
「…ゴメンなさい…本当にゴメンなさい。自分は他者と関わってはいけないのに…」
「謝らないでよ」
「ゴメンなさい…ゴメンなさい…」
真白の言葉も耳に入っていない。
いつもの姫と様子が違う。


