本人は平気と言っていても真白は浮かない顔をしている。


自分を庇って髪を失った。


「強い心を持ってるな」

「護られてばかりは嫌なんです」

「そうか。じゃ、俺は失礼するよ。後始末をしないといけないからな」


男達を引きずって何処かへ行ってしまった。


残された姫と真白。


沈黙が続く。


「髪…」

「良いんです。ハクくんが無事なら」

「でも!」

「なら約束して下さい。人の為自分の為に頑張って」


真白の生き方は常に人の為。


自分の為には生きていなかった。


最初は妹。


次は姫。


自分の為ではない。


「…判った。約束する…絶対守るから」

「はい」


そう言って姫は微笑んだ。


温かくて心が安らぐ笑顔。


不安な気持ちが吹き飛んでいくような。