歩いていくも知らない場所にしか出ない。
完全に行き先を失った。
「そこ餓鬼」
「あぁ?」
餓鬼と言われて思わず凄んでしまった。
子供とは思えない睨み方。
あの頃の真白に戻ってしまったかのよう。
「赤みががかった黒髪。灰色の目に日本人離れした顔…お前、本城組の生き残りだな」
黒のスーツの男達。
確実にヤバイ関係の者。
(かあさんが、大丈夫って言ったのに…)
これがマフィアという日本で言うヤクザ。
昼間から如何して堂々と。
冷や汗が流れた。
「テメーのせいでボスは殺された。次期ボスだった息子さんは行方不明だ!」
「だからお前の首、いただくぜ」
コ ロ サ レ ル
そう思った。
あの時終わったはずの連鎖は終わったなんかいなかった。


