がむしゃらに真白は走った。
行き先など判らない。
けど、走り続けた。
走らずにはいられなかったから。
(…何で俺、あんな言い方したんだろう。姫、絶対怖がってた)
自分の中に罪悪感が残る。
姫を傷付けた。
大切な人を怖がらせてしまった。
護りたいと思った人なのにも関わらず。
そんな自分が嫌になった。
如何しようもなく自分が嫌になった。
(あれ…此処、何処だ)
何も考えず走り続けたせいか見知らぬ場所に。
辺りを見るも見慣れない所。
元々、この辺りは姫の家にしか行っていない真白。
迷うのも無理はない。


