驚き言葉を失う姫を見てハッと我に返った。
だが、もう遅い。
「ハク、くん?」
瞳は不安で満ちていた。
唇を噛み締め家を飛び出していった。
「ハクくん!!」
姫の叫び声にも振り返らず走った。
残された姫は呆然と立ち尽くした。
「ど、如何したの!?」
「……自分はハクくんを怒らせてしまったみたいです」
「真白はきぃちゃんの事が大切だから心配したんだと思うよ」
そう言った真冬も姫の事が大切で大好き。
実の姉の様に慕っている。
だから、姫に何かあれば心配だってする。
それは真白だって同じ。
姫の事が大切で大好きだから心配してしまう。
人は誰かを心配し助け合って生きていく。
そんな生き物だから。


