「姫には会えましたか?」

「はい。でも、親しそうなのが一人傍に」

「あぁ…緑ですね。彼はこの学園の頂点に立つ者と言われている男です」


笑顔で言う事じゃない。


でも、それを聞いて不思議そうな顔をした。


「かあさんか凪さんじゃないの?」

「僕が如何かしたのぉー」


突如凪斗が現れた。


ドアが開いた音はしていない。


何処から入ったかさえ判らない。


けど、突然目の前に現れた。


「凪さんが学園の頂点に立ってるんじゃないんですか?」

「違うよぉ。僕はそんな肩書き要らない。護りたい人を護れれば良いのぉ」


一瞬、凪斗の表情がいつもと変わった。


冷たい氷みたいな顔。


幼い感じなどはなかった。