そんなこんなで不思議な共同生活が始まった。


あまりに突然だったが姫はすぐに状況に慣れた。


真白と真冬は少し戸惑っていたがこの兄弟と一緒にいる事で打ち解け始めた。


「きぃちゃん大好きー」


今迄兄にしか心を開かなかった真冬が今ではすっかり姫に懐いている。


そして、姫は″き″とも読める為″きぃ″と呼ばれていた。


姫に抱きついて離れない真冬。


複雑そうな顔を真白はしていた。


「真冬…いい加減離れな」

「嫌だもん!真白のお願いでも聞けない」


兄大好きだった真冬が今は姫大好きな状態。


ブラコンは困るがそれもそれで…


「ゴメンね…真冬がいつも」

「大丈夫ですよ。誰かに慣れてもらえるのは嬉しいので」


その笑顔は妙に切なかった。