一方、緑達は寮の外に到着していた。 辺りを見渡すが男は見えない。 「…いなくね?」 その時、男は校舎から出てきた。 真っ直ぐ寮に向って歩いてくる。 思わず立ち止まった。 男は静かに緑達に近付く。 「四葉寮の桜 姫を呼んでもらえるか?」 緑達は男の顔を近くで見てある事を思った。 紫色の瞳。 薄茶色の髪に赤メッシュ。 まるで、姫を男にしたような姿。 学園祭で見た姫にそっくりだった。