ズタボロになった体を引きずる武羅人と、食らったのは一撃ながら行動不能に陥った私。

勝敗は明らかだった。

「…殺し…なさい…」

喀血しながら私は呟く。

屈辱だった。

まさか雑種ごときに不覚を取るとは。

このまま生き永らえるくらいならば、いっそ一思いに…。

そう思った私を嘲るように。

「殺す?馬鹿言うな。生殺与奪は勝者の権利だ」

武羅人は傷だらけの顔で私を見下ろす。

そしてこの後。

「それに…」

私は彼が『ケダモノ』である事を認識する。






「女は殺すものじゃない。抱くものだ」