私はゆっくりと立ち上がり、服についた埃を払う。

…結論から言うと。

武羅人が私の首を絞めたのは、絞殺でも頚椎破壊の為でもない。

彼自身言った通り止血の為。

自分の『主人』が死に瀕する傷を負ったのに、傍観している『狗』はいない。

彼は自分の『エゴ』よりも私の命を優先させた。

いや、違う。

私の『エゴ』の為に、そうするようにしたのだ。

彼の首筋に残る咬み痕が、全てを物語っている。

…私達出碧の血族の能力は『吸血』。

血を吸った者の自我を奪い、虜にする。

それは相手が亜吸血種だろうと堕蓮持ちだろうと関係ない。