ノートパソコンの画面を覗き込むと、何か図を書いてるところだった。

お仕事の関係かな。


ペラペラと資料をめくって、熱心に読んでは、キーボードでカタカタ何か文章を打ってる。


(いろんなことやってるんだね……)


塔也の部屋の本棚の中身を思い出す。


あらゆる分野の本がずらり並んでたけど、そういえばビジネス系の本もあったような気がする。

小規模法人のなんたらって本とか、税務がどうとか、企画書のなんたらって本とか。




塔也って、なんだかいっぱい引き出しがありそうな人。

引き出しは固くてとっても引き出しにくいけど。

噛めば噛むほど味の出る、酢こんぶみたいな人だ。


もっといろいろ話したいな。

すっかり熱中して無言でノートパソコンをカタカタ言わせてる塔也をこっそり見上げて、そんなことを思った。