キャンディ


通りかかった公園から騒ぎ声が聞こえてきて、そこには同級生の子達がいた。


ブランコの近くに4、5人の男子と女子3人くらいが集まっている。

あたしも、その子達の元へと駆け寄った。



「何やってるのー?」

「男子が度胸試しだって。」


女子の一人が答えた。


「度胸試し??」


「ブランコを力いっぱい漕いで、一番高いとこから飛び降りるの。」


見ると、一人の子がブンブンとブランコを立ち漕ぎしてから、タイミングを計らって思いっきりジャンプした。


「おぉ~っ」


無事着地したその子に向かって、周りが声を上げる。


「怖くないの?」


女子のうちの一人、綾(アヤ)ちゃんが言った。


「ぜんっぜん。
ま、女には無理だな」


軽く馬鹿にしたようなその言い方に、何故かあたしの中で火がついた。


「それくらい、あたしでもできるし。」


「じゃぁやってみろよ?」

「怪我しても知らねーぞ」



手に持ってた鞄をその場におろすと、あたしはブランコに乗った。