キャンディ


「あたしね…



和弥くんと別れちゃった。」




そう言った瞬間、慶にぃは足を止めてこっちに顔を向けてきた。


「まじで?」



何も言わずに頷く。




「そっか」


それだけ言って、慶にぃはまた歩き出した。











ふと思い出した。




ずっと前にもこんなことがあったんだ。



まだ慶にぃとは兄妹になったばかりの頃、学校の帰り道のことだった。






―――「早くいけよーっ」