それに気づいた慶にぃが、前から「どうしたの?」って顔で見つめてくる。
「…なんか……」
膝に絆創膏を貼った時って、やたらとその足だけ歩きにくい。
慶にぃは、そんなあたしの前にしゃがんで、自分の背中を向けて言った。
「ほら」
もしかして…おんぶするの?
「え、いいよ。恥ずかしい…」
「俺だって恥ずかしいし」
後ろから見える慶にぃの耳は、少し赤い気がする。
それがなんだか可愛く思えた。
慶にぃの背中にそっと近づくと、慶にぃはあたしの身体を軽々と持ち上げた。
「重くない?」
「軽すぎ。」
そう言って、慶にぃは歩き始めた。


