「真衣っ?」
あたしの顔を見て、慶にぃは目を丸くした。
「どしたの?」
「…っく…足…」
「足??」
「足が…痛いの」
嗚咽しながらも話すあたし。
慶にぃが、あたしの足を見てから言った。
「あーあ、怪我してんじゃん。真衣、絆創膏持ってなかった?」
こくりと頷く。
「鞄のポケット…」
慶にぃはあたしの鞄のポケットから、絆創膏を取り出した。
そして、それを血が出てたとこに貼ってくれた。
「転んで泣いてたの?真衣は子供だな。」
そう言って慶にぃが笑った。
「帰ろっ?」
「…うん」
家に向かって歩き始めたけど、あたしはすぐに足を止めた。


