キャンディ


傘も差さず、雨の中を走った。




通り過ぎる人達が、あたしを見ていく。


でもそんなことも気にとめずに、ひたすら自分ん家に向かった。




すると、手にしたままだった携帯が再び震えた。



通りかかった店の前の屋根の下で、とりあえず立ち止まって携帯を見てみる。


「あ…」



和弥くんからのメール。



『今どこ?』



何も言わずに来たから…。



『ごめんね!急用が出来ちゃった。』


そう打って、メールを返す。




和弥くん、


ごめん



嘘ついちゃったことも謝ります。









「真衣…?」