和弥くんがゆっくりとあたしを見た。


「今、いんの?」


「うん…」

「そっか」


和弥くんは、諦めたようにあたしの体を離した。




良かった…


って、咄嗟に思ってしまう。




「じゃ、もっかいキスだけね」


悪戯っぽい笑顔を向ける和弥くん。


「えっ」




あたし達は、また唇を重ねた。



それは、甘くて、柔らかいキスだった。





和弥くんはちょっと不満そうにも見えたけど、あたしは幸せだった。