二人の声が重なった。 「チャラい男に掴まんなよ?」 何故か不満そうに言う慶にぃ。 「了解っ」 「あれ。ヤキモチ?」 貴にぃが慶にぃに向かってそう言った。 「なんでそーなんだよ?」 「慶はシスコンだしな」 二人のやり取りを見て笑った。 「あっ、慶にぃ。ご飯いらないってお母さんに言っといて?」 「ん。行ってら」 慶にぃが微笑んで、手を振った。 あたしも手を振り返して家を出た。