「貴、真衣っ」




「慶ちゃん…」





再婚を機にあたし達は引越しすることになった。


って言っても、前の家と新しい家はすごい近いんだけども。




そして今は、新しい家に運んできた荷物を片付けてるとこ。






「どーした?元気ないじゃん」


慶ちゃんが、あたしの顔を覗きこむようにして言った。



「……だって、前みたいに慶ちゃんが学校帰りに貴にぃの部屋へ上がったり、三人でのんびりしたりするのもなくなっちゃうし…」


「そんなこと?」


「そんなことって、真衣いつも楽しみにしてたんだよ!?」



「ははっ。真衣、ブラコンだね。」

慶ちゃんはフッと笑みを浮かべた。