キャンディ




「はい、これっ」



ある朝のリビング。

あたしは、丁寧にラッピングしたハート型の箱を慶にぃに手渡した。


「ん?」

きょとんとした表情の慶にぃ。


「もしかして、覚えてなかったの?」

「え、と…?」


「今日は何月何日でしょう?」


横から、貴にぃが慶にぃに向かって問いかける。


慶にぃは机に置いてあった携帯を手にとって見た。



「2月14…あっ」


やっと思い出した様子の慶にぃ。


「バレンタインだよ。」


チョコ楽しみにしてくれてるかと思ったのに。



「ごめん、忘れてた。つか、これ俺に?いいの?」


さっき渡したチョコの箱を、慶にぃは嬉しそうに指さした。